細隙灯顕微鏡検査

細隙灯顕微鏡検査は眼科においてごく一般的に行われている検査です。細隙灯顕微鏡という機器を用いて眼球を詳しく検査する方法です。
 
眼科においては視力検査や眼圧検査、眼底検査とともに基本的な検査として位置づけられます。
 
細隙灯顕微鏡検査は細隙灯というスリットランプから眼に光をあて顕微鏡で拡大して眼の様子を観察します。結膜や角膜、虹彩、瞳孔、硝子体などを肉眼ではわからないレベルで観察することが可能です。検査は暗い部屋で行われます。
 
患者は装置の前に座り、あごを台の上にのせ額部分を固定します。医師は対面から光をあてて顕微鏡で眼を観察します。
 
この方法を用いて眼圧や眼底検査も行うことができたり、コンタクトレンズのフィット状況を確認するのにも使用します。

散瞳剤

"散瞳剤とは瞳孔を大きく開く目薬のことで、眼底検査や屈折検査に使われるものです。
 
これらの検査をすることによって糖尿病や白内障、緑内障、屈折異常などの目の疾患がわかるので、医師の指示に従い、正しく使用するようにしましょう。
 
散瞳剤を点眼すると、物がかすんで見えたり、まぶしく見えたりするので、点眼後は激しい運動やスポーツ、自動車や自転車の運転、包丁などの刃物を使うような作業をしてはいけません。
 
目の状態が通常に戻るまでは、出来る限り安静にし、あまり動き回らないようにしましょう。
 
散瞳剤を使うと、点眼時に刺激を感じたり、目の充血などの副作用が起こります。
 
人によっては眼圧が上昇したり、頭痛や吐き気、動悸、発汗などの症状が起こることもあるので、気分が悪くなったらすぐに医師に相談してください。
 
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サンペタゾン

"サンペタゾンはベタメタゾンリン酸エステルナトリウムを主成分とする無色から微黄色で透明の点眼薬です。
 
合成副腎皮質ホルモン(ステロイド)製剤で、抗炎症作用や抗アレルギー作用を持っています。
眼瞼炎、結膜炎、角膜炎の治療に使用されています。
 
1回1〜2滴を1日3〜4回点眼します。症状により主治医の判断で適宜増減します。
 
副作用は刺激感、頭痛、眼痛、見えにくいなどがあります。
 
連用で眼痛、涙が出る、見えにくいといった症状がある時は緑内障や角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症、角膜穿孔の初期症状かもしれません。
 
長期連用で見えにくいといった症状が出た場合は後嚢下白内障の初期症状の可能性もあります。
 
いずれの場合もサンペタゾンの副作用かもしれませんので、すぐに使用を中止して、医師の診察を受けてください。
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ジオプター

"「ジオプター」はレンズの屈折力の単位で、記号はDです。
主に眼鏡用レンズに使用されており、凸レンズは正、凹レンズは負で示されます。つまり遠視の人は+D、近視の人は−Dです。正視の人は屈折に異常がないので0Dと表現されます。
 
定義としては「焦点距離をメートルで表したものの逆数」とされています。式にすると「D(ジオプター)=1/f(焦点距離・fの単位はメートル)」です。
 
例えば、焦点距離が0.5mのレンズの屈折度は、1/0.5=2Dです。この屈折力のレンズの眼鏡をかけると、ピントが合う物までの距離は0.5m となります。
 
目本来の屈折力は約60Dです。 そのうち角膜が約40D、水晶体が約20Dを担当しています。近視や遠視の人の場合、この60Dの屈折力がずれるために正視の人とは違ってくるわけです。
他に、ディオプトリ、ディオプター、ジオプトリーとも表記されます。"

視能訓練士(ORT)

視能訓練士(ORT)とは国家資格になります。
 
仕事内容は、眼科一般検査分野では眼科にかかわる視能検査全般を行います。視力検査・屈折検査・眼底検査・視野検査・眼底写真の撮影などさまざまなことを行います。
 
このような検査で白内障や緑内障などの疾患やコンタクトレンズの処方に関する検査を行います。視能訓練士(ORT)は、視能矯正も行います。
 
両眼の視機能に異常をもる斜視や弱視の患者さんに、視機能の回復をさせるための視能訓練や検査を行います。
 
両眼視能検査や眼筋機能検査・斜視訓練・弱視訓練・精密屈折検査などを行います。視能訓練士(ORT)は、3歳児検診や就学時健康診査・生活習慣病の検診業務やリハビリ指導なども行います。

斜視

"斜視はひんがら目、ガチャ目、眇(すがめ)、藪にらみ、ロンパリなどの通称でも有名な目の異常で、視線が正しい方向を向いているのは片方の目だけで、もう片方の目は上下左右あらぬ方向を向いてしまっている状態を指します。
 
斜視は遺伝要素が強いことが分かっていますが、外傷が原因になることもありますし、強い遠視や近視、失明や乳幼児の弱視によって筋肉のバランスが崩れてしまって症状が引き起こされることもあります。
 
治療方法は斜視の原因によって異なりますから、最初にすべきことは眼科専門医など専門家によってしっかり検査を行い、原因をはっきりさせること。原因が分かり次第、治療計画を立てますが、症状が軽ければコンタクトレンズやメガネを使ったり、視能訓練で物を見る力を鍛える場合もあります。
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収差

"収差は光がレンズを通過する角度や位置によって光線の束の集まる位置、つまり焦点がずれることをいいます。
 
禁止や乱視など、メガネやコンタクトレンズで補正できるレベルの低次と、できない高次があります。
 
人の眼では顔面球体の角膜や内部にある水晶体に様々なレベルで歪みが存在します。すると、眼から入ってきた光線は網膜上の一点で像を結ばなくなるわけです。
 
また、レンズが球面であることで発生するのが球面収差とコマ収差です。前者はレンズの外側から入ってくる光と中心から入ってくる光の焦点位置が異なるため起こります。
 
後者はレンズ中心部がつくる像の大きさとレンズ周辺部のつくる像の大きさが異なることから生じます。像の中心方向、もしくは反対方向に尾を引いたようになります。"

生涯保障制度

レーシックなどの治療、手術を眼科で受ける場合に、重要なのが生涯保障制度です。
 
治療によって、ドライアイになってしまったり、後遺症などになってしまった場合、また視力が前の状態に戻ってしまった場合などは、再手術や治療を行う必要がある場合があります。
 
生涯保障制度は、アフターケアとしての保証制度の中で最高のもので、生涯に渡って再治療の保証をする制度です。眼科によって、術式の一部を生涯保障制度にあてているところもあり、術後のトラブルにも安心して治療などを受けることができるシステムです。
 
眼科を選ぶ際のポイントとして、アフターケアにこの制度が含まれているか否かをカウンセリング時にチェックすることをオススメします。

蒸散

"蒸散とは、レーシック手術でエキシマレーザーを使って角膜を切除することです。
 
レーザーとは、特定の波長を持った強い光を出す装置で、いろいろな種類があります。光は波長によってエネルギーの強さが異なり、波長が短い程、高エネルギーになります。エキシマレーザーは、紫外線領域の光を発するためにエネルギーが強く、角膜に照射すると組織の分子の結合を切り離してガスに分解します。
 
レーシック手術では、角膜の一部をレーザーで蒸散させて形状を変えることで角膜の屈折率を調節し、視力を改善させます。痛みはなく、両眼で20分程度で終了します。
 
角膜が薄い人はレーシック手術で組織を蒸散させることで角膜が弱くなり眼圧によって変形する恐れがあるために、レーシック手術を受けることができません。"

硝子体

わたしたちの眼球の内側にはたくさんの透明なゲル状の組織で満たされています。この粘調な組織を硝子体といいます。
 
これは眼球の大部分を占めており、眼球壁を内側から支えることで眼球の形を保っているのです。眼球中の硝子体は個人差がありますが、約4から6mlあります。その成分の99%は水分ですが、他にはコラーゲンやヒアルロン酸などの成分が含まれています。
 
硝子体の中には血管や神経はありません。網膜とは弱く接着していて、視神経乳頭縁や網膜鋸状縁とは強く接着しています。年を重ねてくるうちに加齢変化のため液化したり、繊維化をきたすことが知られています。部分的に液化や繊維化が起こると、飛蚊症を自覚するようになります。