仮性近視

仮性近視とは、本当の近視ではなく、上手にピント調整が出来ずに発生してしまう一時的な近視のことをいいます。
 
焦点を合わす時には、眼の中のレンズ(水晶体)が膨らみ厚くなります。このレンズを動かすための筋肉を毛様体筋といいます。毛様体筋が収縮し、レンズの厚みを調節していきます。
 
毛様体筋の過度な収縮が続くと調節しすぎる状態になり、レンズが薄くならず遠くが見えにくくなります。この現象を仮性近視と呼びます。低年齢の子供ほど発生の割合が多く、年齢が上がるにつれ徐々に発生の確率は減っていきます。
 
本を近付けて読み過ぎたり、長時間ゲームをしたりすると発生することが多く、正しい治療と生活習慣の見直しで回復が可能です。長期間仮性近視を放置していると、近視が進行する場合もあります。

眼圧

"眼球の中には、血液の代わりに栄養等を運ぶ、房水という液体が流れています。そして、目の形状はこの房水の圧力によって保たれています。この房水の圧力を眼圧と呼び、目の硬さのようなものと考えていただければ理解しやすいでしょう。
 
眼科での検査の中に、目の眼球に向けて空気圧をシュッとあてる検査がありますが、あれが眼圧を測定するための検査です。
 
眼圧を測定することによって、目の様々な病気を調べることができます。視神経に異常が生じて視野が狭くなる、緑内障という病気の場合には、この値が高くなることが多いです。一方、眼球の向こう側にあって光を検知する網膜という組織が剥がれる、網膜剥離という病気では、この値が低くなることがあります。"

眼科専門医

"私たちは、目に何か異常や違和感を感じた時に眼科専門医を訪れます。
そこは目の専門病院であり、眼科におけるすべての項目を診察することができるのです。
 
眼科専門医を訪れたならば、最初に眼圧検査がおこなわれます。
それで目の見え方に異常がないかなどを調べることができます。
その次に、視力の検査をします。
 
やり方はすこし離れた距離から、両目の検査をするわけです。
そして、問題の自分が病んでいるところを診察してもらうことになります。
診察を終えたならば、必要に応じて飲み薬や目薬が処方されます。
 
人間にとって視力というものは大変重要なものですので、いつまでもよく見えるように日頃から生活の中においても目をいたわりながら過ごしていきたいものです。"

眼圧測定

眼圧測定は眼の内部圧力を測定するための検査です。検査装置には、直接角膜に触れた状態で測定するゴールドマン眼圧計と、眼には触れずに測定する非接触式のノンコンタクトトノメーターがあります。
 
現在は、非接触式がほとんどです。非接触式眼圧測定は、空気を角膜に当てて、角膜表面が平になったときの信号検出し、硬さを測ります。空気を当ててから、角膜形状が元に戻るまでの時間を測定し、眼圧が低いほど、元の形状に戻る時間が長くなり、眼圧が低い程、速く戻ります。
 
この検査は眼科に行くと必ずと言っていい程、実施する検査です。測定の結果、眼圧が高いと診断された場合は、緑内障のリスクが高まると言われているので、眼圧は低いほうが良いです。

眼底出血

"眼底出血とは、網膜周辺にある血管の閉塞や出血、硝子体からの出血による症状の事です。
 
単独の病名ではなく、眼底検査で出血が見つかれば眼底出血と呼ばれ、自分の目を鏡で見て確認する事は出来ません。
 
その主な原因は、外傷による網膜出血、網膜血管の動脈硬化によって生じた網膜出血、高血圧・糖尿病・腎臓病等による網膜出血等です。
 
症状は、少しずつ出血している場合は、飛蚊症のように目の前を黒いものが飛んでいるように見える症状が現れたり、視力の低下等が起こります。
出血量が増えると視野が欠ける、ものが歪んで見える、色覚異常を起こす事もあります。
 
外部からの衝撃により出血した場合は、このような症状が突然現れる為、気づきやすい特徴がありますが、糖尿病等が原因で少しずつ出血が起きている場合には、自覚症状に気づきにくく、少しの視野や視覚の異常に気づくような習慣をつけておく事も大切です。
 
眼底出血は、重度の視力障害を来す事もある危険な場合が多い為、すぐにでも病院にかかる必要があります。"

眼底検査

"眼の眼底部分には、網膜と呼ばれる、カメラで言えばフィルムまたはイメージセンサーの役割を担う部分があります。この部分が剥がれたりすると、視力が急激に低下します。
 
また、緑内障になると視神経が壊れて、失明することがあります。これらを診断するのが眼底検査です。
 
瞳孔を通じて、光を入れて照明し、眼底像をカメラで捉えます。眼底は人間の体の中でも、血管を直接見ることができる唯一の器官ですので、動脈硬化などの内科的診断にも利用されます。
 
また、蛍光剤を静注することにより、血管から血液が漏れていないかを診断する蛍光造影法という眼底検査もあります。近年では、さらに深さ方向の情報を得ることができる光干渉断層計という装置も普及してきており、眼底検査の精度も向上してきています。
"

結膜下出血

眼球結膜の下(球結膜下)に真っ赤な鮮血色の出血をおこすことを結膜下出血といいます。
 
これは、ドライアイやアレルギー性結膜炎のように無数の線状をした充血で赤くなるのではなく、白目の部分にある範囲が真っ赤に染まったような出血斑を伴うものです。
 
眼球の外傷や非常に強い力み、高血圧症の患者さんに見られることが多いですが、その原因は不明なものが多いです。通常は特に治療はなく経過観察にとどまりますが、眼の外傷を負った経歴があって強い結膜浮腫を併発する結膜下出血では強膜裂傷を起こしている可能性があります。また、何度も結膜下出血を繰返す場合では何か出血傾向のある全身疾患を疑い諸々の検査を行う必要があります。治療薬は主として内服薬になります。

角膜内リング

"「角膜内リング」とは、元々は軽度の近視矯正法として行われていた視力矯正手術です。ポリメチルメタクリレートというシリコン素材でできた薄い半円弧状の2つのリングを、角膜の周辺部に挿入することで角膜の形状を矯正します。
 
「角膜内リング」は、現在は「円錐角膜」の治療法としての有用性が確認され、主としてこちらに使われています。円錐角膜とは、角膜が薄くなり、角膜の中央部が前方へ円錐状に突出する病気です。角膜形状の矯正の他、強度も増加するので円錐角膜の進行を抑えたり遅らせる手段として有効です。
また、ドナー角膜を必要とせず、拒絶反応、緑内障など重度の合併症の頻度が少ないのもメリットです。
 
また、術後にはコンタクトレンズの使用ができるようになったり、眼鏡での視力矯正効果の向上が望めます。
 
デメリットとしては、角膜移植ほどには効果が劇的では無いこと、視力が安定するのに時間がかかることなどがあげられます。"

強膜

強膜とは、目の白目の部分のことを言い、白目の一番表面にあるのが結膜で、その下にあり白くて強い膜のことです。
 
表面の部分は比較的血管が多く、表層の部分の上強膜とその下の部分の強膜に分けることができます。
 
炎症を起こしたときにその部分によって疾患名を分類する際に用いられ、一般的に下の部分に炎症が起こることが多いとされています。
 
炎症を起こす原因は自己の免疫疾患などがあげられはしますが、多くの場合は不明で炎症の症状がひどくなければ原因の特定はしないで治療が行われます。
 
炎症を起こした場合の症状としては、紫がかった赤色をした特殊な充血や圧痛、炎症部分が目の後ろの部分まで及んでしまうと視力低下をきたすことがあります。

強膜裂傷

 

"強膜裂傷とは、外傷によって目の強膜と呼ばれる部分が損傷してしまうことをいいます。
 
強膜は眼球の一番外側を覆っている厚さ約1ミリの膜で、この膜は白色で不透明な外見となっていることから、一般的には白目と呼ばれています。
 
強膜は眼球を保護する役割を担っているため、目のその他の部分に比べると硬く、比較的損傷しにくい構造となっていますが、先端の尖った物体が接触したり、外部から強い衝撃が加わった場合などでは容易に損傷してしまいます。
 
強膜裂傷の治療方法は症状の重さによっても異なりますが、一般的には手術によって裂傷ができた場所を縫合し、硝子体や脈絡膜といった他の損傷箇所の切除や修復を行います。
 
ただし、眼球が破裂するほど激しく損傷し、縫合を行っても修復が見込めないようなケースでは、眼球を摘出する手術が行われることもあります。"