ファンドスコープ

ファンドスコープは、眼底検査を行うための機械です。眼科治療では一般的に用いられている機械になります。右手側の単眼倒像鏡という部品と左手側の集光レンズから構成されています。
 
眼の奥にある網膜や視神経、硝子体などの状態を詳しく検査することが可能です。眼底検査ではまず眼の中心部分から行います。その後、患者が眼を左右上下と動かし、眼の周辺部分の検査を行っていきます。
 
眼底検査を利用すると緑内障や動脈硬化などを早期発見することが可能です。これらの病気は痛みがなく、いつの間にか進行する病気のため早期発見し、進行を防ぐことがもっとも重要になります。
 
ファンドスコープは眼科にとってなくてはならない道具ということが出来ます。

フェイキックIOL

"フェイキックIOLとは、白内障治療で使われるレンズと同じ素材で出来た人工の眼内レンズを用いて、近視や乱視などを矯正する視力回復術です。
 
一度眼内に入ったレンズは特別なメンテナンスが必要ないため、一生使えるコンタクトレンズのようなものともいえます。
 
ヨーロッパでは1986年から行われており、2004年には米国FDAから安全性と有効性が承認されています。
 
角膜を削る必要がないため、視力回復術としてメジャーなレーシック治療の手術対象外となってしまう極度の近視や角膜が薄いという方でも受けることが出来るのが特徴です。
 
フェイキックIOLの手術は小さな切開だけで済むため、点眼による麻酔で行われることがほとんどで、手術時間もおよそ15分程度と体への負担が少なくなっています。
 
また視力に対してなんらかの問題が起きた時には、レンズを取り出すことで元の状態に戻すことが出来るというのも大きな特徴といえるでしょう。"

フェムドセカンドレーザー

フェムドセカンドレーザーは、フェムドセカンドレーザー・レーシック手術の際、フラップを作るのに使われるレーザー機器です。
 
フェムト秒(1000兆分の1秒)という極めて短い時間で角膜の中にプラズマ爆発を起こさせ、熱を発生させずに切断面を作っていきます。
 
照射スポットが非常に小さく密で正確であるため、従来よりもなめらかできれいな断面となり、フラップの強度や見え方の質が向上しています。また照射エネルギーが小さいため術後の炎症がほとんど起きなくなり、患者さんの負担が少なく快適に手術を受けられるようになっています。
 
さらに楕円形のフラップも作れるようになったので、今まで難しかった強度の乱視の方にもレーシック手術が行えるようになりました。

フカラ手術

"フカラ手術は屈折異常を手術で矯正する方法でレーシック手術の一種ですが、調節も難しく網膜剥離を発症するリスクを伴う為、現在では強度近視で白内障を合併している患者さんに対してだけ施術されている状況です。
 
洗眼&消毒後、白内障手術とほぼ同様の施術を行い超音波で水晶体を取り除き、補正用の人工レンズを挿入します。
 
強度近視を矯正できる手術ですが、老眼の症状が出やすく、眼底出血や緑内障発症の確率の上昇など、リスクが多い点が問題です。
 
挿入した人工レンズに脂肪やたんぱく質が付着する可能性もありますし、感染が原因が眼内炎を引き起こす恐れもあり、最悪の事態では失明する可能性もあります。
 
一般的なレーシック手術も問題点は抱えていますが、フカラ手術ほどではありません。"

不完全パス

"不完全パスとは、レーシック手術を行った際、まれに発生する重大な合併症の一つです。手術の途中でマイクロケラトーム(電動メス)が停止し、完全にフラップ(患者さんの角膜の表面を薄く切ったもの)が作成できない状態のことを言います。
 
レーシックは目の表面にレーザーを当てて、角膜の曲がり具合を変えることで視力を矯正します。近視補正手術の一つであるレーシックは安全性が高い手術とされており、不完全パスなどの合併症が発生した場合も早期に発見し、適切な治療を行えば、深刻な事態は避けられます。
 
花粉症のひどい人は眼のコンディションが良くないため、不完全パスなどのトラブルのもとになる場合があります。手術を受ける際には、このようなリスクがあることを理解し、了解してもらうことが必要です。
 
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不正フラップ

"レーシック手術では、角膜の表面層である上皮を薄く円形のシート状に切開して、蓋のようにして捲りあげます。
 
この蓋をフラップといいますが、稀にフラップ作成が上手くいかずにフラップの面がギザギザになってしまうことがあり、そのような状態を不正フラップといいます。
 
フラップの状態は手術の成否に関わってくるものですので不正フラップは起きないようにしなければいけません。
 
不正フラップが起きる原因として考えられるのは、角膜を切開するマイクロケラトームのブレードと歯車の間になんらかの異物が挟まっていることです。
 
基本的にマイクロケラトームのブレードは、1人の患者に1枚を使用するため、あまり起こりにくいトラブルなのですが、こうしたトラブルを予防するためには、マイクロケラトームを使用した後、毎回、分解して洗浄することが大切です。"

不正乱視

"乱視とは、眼球の屈折面が球面ではないために、眼の経線方向によって屈折が異なる状態のため、外から入った光が眼の中で1点に結像しない症状を言います。
 
この乱視には、正乱視と不正乱視とがあります。
正乱視とは、角膜、または、水晶体のゆがみが対称である乱視のことです。この正乱視は、近視の矯正に用いられる球面レンズのみでは矯正ができず、円柱レンズを使用することによって矯正が可能となります。
 
一方、不正乱視は、正乱視とは違って、屈折面での屈折が不規則であり、円柱レンズを用いても矯正ができない乱視のことを言います。
 
角膜のゆがみによる不正乱視は、ハードコンタクトレンズによって矯正可能です。しかし、水晶体のゆがみによる乱視はハードコンタクトレンズでは矯正できませんので、眼鏡による矯正が基本となります。"

ぶどう膜炎

"ぶどう膜炎は、眼球内で引き起こされる炎症系の病気を総称した病名です。ぶどう膜炎、もしくは内眼炎と呼ばれますが、発症する病気によって軽度のものから失明に至る深刻なものまで原因も症状も差があります。
 
いずれにしても目の中が患部になる為、軽い場合も完治まで数か月かかることも珍しくありません。重症だと数年間かかる可能性もありますし、最悪の場合持病として一生おつきあいすることになりますから、病気にならないよう予防に励むのが一番です。
 
ただし、外傷や悪性腫瘍、全身の免疫異常が原因で発症することもありますし、細菌や真菌、寄生虫やウイルスなど目に見えない要因で引き起こされることもあるので、非常に厄介な病気の1つです。
"

フラップ

眼科の治療、特にレーシックの施術にはフラップを作る必要があります。
 
レーザーをそのまま、目の一番表面にある角膜上皮に当てても、この角膜上皮は再生可能な膜であるため、時間がたてば元の状態に戻ってしまうのです。
 
再生不可能な膜にレーザーを当てて変形させることで、レーシックの効果が出ますので、角膜上皮をめくっておいてから、レーザーを当てることが重要なのです。
 
フラップの作り方には様々な手法があります。マイクロケラトームと呼ばれるカンナのようなものを使用するやり方と、フラップ作成用のレーザーを使うやり方です。
 
レーザーを用いれば薄く、均一な仕上がりになりますが、熱を発生させるので治りが遅くなります。マイクロケラトームを使用すると、比較的厚い膜になってしまうようです。

フリーフラップ

レーシック手術では、角膜表面の一部を残して切開してフラップを作り、その下の角膜実質層をレーザーで削ったあとフラップを元に戻して接着させます。
 
フリーフラップとは、フラップの一部つながっているはずの部分が取れてしまうことで、執刀医による重大なミスと言えます。
 
フリーフラップが起こった場合、通常はレーザーをあてずに角膜を元に戻して手術を中断します。治療用のソフトコンタクトレンズを使うなどして、角膜の状態が元に戻ってから(数ヶ月かかります)再手術を行います。
 
ただし場合によっては、その場でフラップを作らない手術に移行したり、位置を把握してフラップを戻せるなら、そのままレーザー照射を行っても問題ないケースもあります。