ハイドレーション

"医療におけるハイドレーション(hydration)とは、水分負荷をかける・水分を補給するという意味。
 
点滴などによって輸液を増やしたり追加したりすることで、脱水が原因で血圧が下がった時、輸液を増やして尿による排泄を促したい時、腎障害がある患者の腎臓負担を軽減するために輸液を増やすといった場面で用いられる言葉です。
 
このため一般的にはハイドレーションと言われると水分補給という意味になりますが、人工呼吸や麻酔の場合においては意味が違っており、こちらの場合の意味は「加湿」という意味になります。
 
抗がん剤治療におけるハイドレーションは治療メニューや患者自身の排尿量によって異なってきますので、確認が必要です。"

パキメーター

"パキメーターは、レーシック手術前に行う角膜圧測定で使われる医療機器です。角膜をレーザーで削るレーシック手術などの視力矯正手術を受ける為には、術後も角膜が十分な強度を維持できるようある程度の厚みが必要です。
 
具体的にはレーザーで削った後に0.4mm以上残さなければなりませんから、生まれつき、もしくはコンタクトレンズの使用など何らかの理由で角膜が薄い場合、手術は認められません。
 
角膜を測定する為のパキメーターには、ペン状の形をしたプローブと言うパーツが付いていますが、測定時にはミクロン単位まで角膜の厚みを測定する為に超音波も用いられます。
 
点眼薬で局所麻酔をするので完全に痛みは取り除かれますし、測定時間も1分から2分程度で済みます。"

白内障

"白内障は、老齢の方に起こりやすい目の病気です。
目の中には、透明な水晶体というものがあります。この水晶体は、カメラのレンズのように、外から入ってきた光を集めて焦点を合わせる役割を担っています。
 
白内障は、上記の水晶体が白く濁る病気です。
水晶体は主にタンパク質と水でできているのですが、加齢や長年にわたって紫外線を浴びるなどによって、水晶体のタンパク質が徐々に変成するため、水晶体が白く濁っていくのです。
 
水晶体が白く濁ることによって、集めた光が眼底の網膜に届きにくくなり、光をうまく検知することができなくなります。
これにより、視力が低下する、視界が全体的にかすむ、光がまぶしく感じられるなどの症状が出ます。
 
 
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バハモンレーシックスパーテル

"バハモンレーシックスパーテルとはレーシック手術の際に使用される医療器具の一つです。
 
レーシック手術では、まず最初にスキャナーを使って患者の目の形状を読み取った後に、マイクロケラトームと呼ばれる機器を使って「フラップ」という角膜の蓋を作成します。
 
フラップが作成が完了すると、その後にレーザー光線を目に照射して目の屈折異常を矯正する段階へと進みますが、レーザー光線を照射する前に、フラップをめくって反転させるために使用される医療器具がバハモンレーシックスパーテルです。
 
バハモンレーシックスパーテルは単にスパーテルと呼ばれることもあり、名称は製造しているメーカーによって様々ですが、形状についてはどのメーカーの製品もほぼ共通となっており、フラップを正確に捉えて反転させることができるよう、先端が細い針金状に加工されています。"

ハレーション

"ハレーションは夜間や暗い場所で光るものを目にした時、光線が乱反射し眩しさを感じたり光が滲んで見えてしまう現象で、レーシック手術の代表的な合併症の1つです。
 
症状の状態やレベルには個人差がありますが、レーシック手術を受けてから3か月から半年程度ハレーション現象を伴うことが多く、一般的には自然解消しますがごく稀に後遺症として残ってしまうケースも報告されています。
 
テレビやパソコンなど光を放つものを見ると疲れてしまうので、お仕事でOA機器を使用される方は注意しなければなりません。また、夜間車を運転中対向車のヘッドライトがハレーションを起こしてしまって視界が著しく悪くなる可能性もあるので、決して軽視できない合併症です。
 
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ハロ現象

ハロ現象とは眼に起こる症状の一つで、特にレーシック手術後に見られる合併症として有名なものです。
 
この現象は目で見た明るい光の周りが、ぼやけモヤがかかったように見えるようになることです。
 
このハロ現象の原因は手術の際に行う角膜矯正によるものとされており、矯正した部分とそうでない部分に差が生じ、異常な屈折を起こしてしまうためであると考えられています。
 
それが人間の本来の働きである、明るい場所よりも暗闇で黒目が大きく開き、物をよく見ようとする状態の時に強く感じられるのです。支障がでやすいのが夜の運転時とされています。ハロ路現象は珍しいものではなく、合併症の中でも比較的軽症の部類とされ時間経過と共に良くなっていくケースも多いです。

ヒアレイン

数々ある目薬の中で、ヒアレインという点眼薬があります。この目薬の成分は精製ヒアルロン酸ナトリウムで、つけるとドロッとした感覚のする目薬です。
 
眼の表面である角膜の上皮細胞の接着を促し保水します。角膜や結膜上皮が障害される疾患としては、シェーグレン症候群という膠原病疾患や皮膚粘膜炎症候群、眼球乾燥症候群などがあります。
 
また、手術のあとであったり、コンタクトレンズによる炎症、外傷などにも用いられるなど、適応範囲が大変広い点眼薬です。いずれも角膜・結膜の上皮細胞の炎症に効果を持つ薬剤です。
 
このヒアレイン点眼薬を使用しても効果が十分に出ない重症例では、ヒアレインミニ点眼液という防腐剤無添加で開封後は使いきりのシングルユーズのものを用います。

ヒアレインミニ0.3

"ヒアレインミニは精製ヒアルロン酸ナトリウムを主成分とした無色透明の点眼薬です。
 
0.1%製剤のヒアレインミニ0.1と、0.3%製剤のヒアレインミニ0.3があります。0.3%のほうが粘度が高く、ややドロリとしています。
 
シェーグレン症候群やスティーブンス・ジョンソン症候群における目の傷やドライアイの治療に使用します。
 
角膜上皮細胞の接着や伸展を促進し、角膜上皮の傷の治癒を促し、涙を保持・安定させて目の乾燥を防ぎます。
 
通常は0.1%製剤のヒアレインミニ0.1を1回1滴、1日5〜6回点眼します。
効果が不十分な場合は0.3%製剤であるヒアレインミニ0.3を同様に使用します。
 
症状により、主治医の判断で適宜増減できます。
 
副作用は目のかゆみ、目の刺激感、結膜充血、眼瞼炎などがありますが、重篤な副作用の報告はありません。
 

 

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ビジックス社

"ビジックス社はアメリカ合衆国に本社を置く医療機器メーカーです。
 
ビジックス社は『エキシマレーザー』と呼ばれるレーシック治療用の医療機器の先駆けともいえる存在で、1989年にFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を受けて以来、現在に至るまで数多くのエキシマレーザーを開発しており、その機器はアメリカ合衆国だけでなく、日本をはじめとした世界中の国々で使用されています。
 
なお、レーシック治療は現在広く普及しており、その術式には様々なものがありますが、『アイレーシック』と呼ばれる術式はビジックス社の登録商標となっています。
 
アイレーシックを利用した治療では、機器に搭載されたスキャナーによって患者一人ひとりの目の形状を分析し、フェムトセカンドレーザーによって角膜を剥がしてフラップを作成し、眼球にエキシマレーザーを照射して目の屈折異常を矯正する仕組みとなっています。
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ヒンジ

レーシック手術における「ヒンジ」は角膜にフラップを作る際に、角膜とフラップを完全に切り離さず一部をつなげておく部分のことを言います。
 
これがあることによりフラップを元の位置に戻しやすくなるとされています。主流となっている位置は上方、鼻側でそれぞれズレにくさや、マイクロケラトームを使用する際の動きやすさというメリットがあります。
 
またヒンジの幅や角度は重要なもので、適切な場所に位置していないとレーザーを照射する際にヒンジも一緒に照射してしまう危険があり、それが起こると、つなぎ部分がとれてしまうフリーフラップという状態になります。そうなってしまうと手術続行は難しく、後日角膜が安定するまで待たなければなりません。